郷土館では「織物と染物の歴史展」とそれに付随する藍染め体験を開催中ですが、その合間をみながら手紡ぎ毛糸を使った布を織っています。遅々として進みませんが、それでも予定の1/3位の長さを織れました。着物に使う布は経糸が400~600本はあると思いますが、今回私が織っている布の経糸は120本程度です。全て手紡ぎのため、太い毛糸の経糸と横糸です。そのため、やや粗い布地になりました。チェック模様になるように織りましたが、織りあがるにつれて模様の境がやや不鮮明になりました。濃く染めれば良かったですが、初めての毛糸布なのでこんなものかと思っています。
だんだん姿を現わしてきた、手紡ぎ毛糸を使った布作品
布を織る時は通常、綜絖を軽やかに上下して織ります。しかし、私のは経糸がぎりぎり綜絖を通過した太い毛糸です。綜絖を上下させるたびに、細長い板を差し入れて経糸を上下移動させなければなりません。また、綜絖を一ヶ所間違えて通したため経糸が交差する箇所がありました。さらに、120本の毛糸を通した筬がサクサク動きません。少しばかり力を加えないと、横糸を抑えることができません。とても手間がかかる布作品作りです。
左からシャトル通し 横糸を筬で抑える 右からシャトルを通す
今の私は、羊毛を極細の糸に紡ぐことができません。2本の毛糸を紡いで双糸にすると、さらに太い糸になってしまいます。今回は田布施農工高校からいただいた羊の毛を使って毛糸にしました、生徒の毛刈り体験学習後の毛です。短い毛や長い毛が混在しているため、なかなか均一な太さに紡ぐことができませんでした。また所々で玉にになってしまいました。それはそれで味はあるのですが。もう少し品質の良い羊毛を使えば、より良い毛糸や布ができるのではないかと思いました。
上下に分かれた経糸 手紡ぎ毛糸布の風合い
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羊の原毛,紡ぎ,染色,そして織り 24/x (織り 2/x)
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