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Channel: 東京里山農業日誌
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毛刈りした羊の原毛を脱脂して、いよいよ毛糸作り

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 先日、田布施農工高校で羊の毛刈りを見学させていただきました。この時、毛刈りした羊の原毛をいただきました。今回、いただいた原毛を加工して毛糸にする作業を始めることにしました。まず最初に、原毛は油分が付いているため脱脂することから開始します。脱脂するために、洗面器にお湯を入れて、その中に中性洗剤を混ぜ合わせました。その中に、必要分の原毛を浸します。この時の注意事項として、絶対に揉んではいけません。一時間程度浸していると汚れや油分が溶け出します。汚れた水をいったん流します。そしてもう一度、同じように石鹸水を作って、原毛を浸します。

 中性洗剤をお湯に溶かす     汚れを洗い流す      風通しよい場所で乾燥
  

 再度汚れを捨てると、原毛に付いた石鹸水を水で完全に洗い流します。その後、滴り落ちるまま濡れた原毛を乾燥します。この時も、力任せに絞ってはいけません。風が当たるように乾かすと良いでしょう。また、乾燥中に時々ほぐすようにしながら上下を入れ替えると良いでしょう。約一日で自然に乾燥します。ドライヤーなどで強制的に乾かすと原毛を痛めます。
 乾燥が終わると、見違えるように原毛は綺麗になっています。所々に付着したゴミなどは手で取り除くか、ハサミ切り離します。汚れが落ちていないようであれば、再度洗浄を繰り返すと良いでしょう。

             乾燥し、見違えるように綺麗になった原毛


 乾燥させた原毛は毛が互いに絡みついています。その毛をまっすぐにして、さらにフカフカにします。綿は弓のようなもので弾いてフカフカにしますが、羊の原毛はカードと呼ばれる針がたくさん付いたブラシですきます。カードには手で持って使うものや、手で回す方式のものがあります。手で使うものが、安価で使いやすいです。プロ向けには、手回し式や電動式のものがあるようです。

    カードですいて原毛をフカフカに       紡錘車(スピンドル)に巻きつけ
 

 カードを使って原毛をフカフカにすると、いよいよ原毛を糸にします。この時、紡錘車(スピンドル)を使います。原毛を少しずつ繰り出すようにしながら、原毛をよじるように紡錘車を回すのです。気長な仕事ですが、のんびりやれば帽子かマフラーを作ることができる量の毛糸ができると思います。郷土館で仕事をしている時、気分転換に時々紡錘車を使って毛糸を作ってみようと思います。久しぶりの糸繰り作業のため、紡ぎ方などをだいぶ忘れてしまいました。思い出すのが大変です。
 この紡錘車、世界各地(主に低開発国)で今でも使われています。実は、古代の田布施町でも使われていました。去年、中心に穴が空いた丸いせんべいのような石が発掘されました。この石は、中心の穴に棒を差し込んで使う紡錘車だったのです。その後、日本では紡ぎ車が発明されたため紡錘車は廃れてしまいました。
 なお、郷土館に展示されている通称「タヌキの糸車」は、糸紡ぎのための骨董具(紡ぎ車)です。紡錘車よりはるかに効率的に糸を紡ぐことができます。そのうち、この紡ぎ車か、似たようなものを作って使ってみようと思います。

      原毛を少しずつ繰り出しつつ、かつ紡錘車を回しながら毛糸にする


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