このSONY製トランジスタラジオTR-714の修理履歴です。それぞれをクリックしてください。
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修理(5/8) 修理(6/8) 修理(7/8) 修理(8/8)
ようやくこのトランジスタラジオの修理が終わりました。最後に外装を綺麗に拭いて、SGを使って受信状況を確認して終わりにしようと思います。このラジオ、今上天皇のご成婚記念にあわせて販売されたラジオです。ご成婚のことは、子供の頃の話なのでよく覚えていませ。しかし、今は亡き祖母がご成婚の写真を大切にして飾っていたのをよく覚えています。
今上天皇のご成婚記念日に合わせて販売されたトランジスタラジオ TR-714
薄くアルコールを浸したティッシュでこのラジオの外装を丁寧に拭きました。それほど汚れや細かな傷は取れませんでしたが、気持ち的に綺麗になったように気がします。基板を何度もひっくり返しながら直したので、以前にも増して愛着が沸いてきました。
全面パネルを綺麗に拭く 裏蓋も丁寧に清掃
このトランジスタラジオを綺麗にすると、ラジオの受信状態を確認しました。SGを使って確認しましたが、このSGも壊れた中古品を修理したものです。素人の私にはもったいないようなSGです。いまだにこのSGの使い方の全容が分かりません。テストオシレータとしての使い方しかできていません。
SGを使ってラジオの受信状態を確認中
まずは、中波帯を確認しました。受信範囲は、512KHZから1,690KHZでした。仕様よりもやや受信範囲が広い結果となりました。低いか高い方に偏っているわけではないので、これでよしとしました。
512KHZを受信 1,690KHZを受信
このトランジスタラジオの販売当時の宣伝には、中波の受信範囲が535〜1605KHZと書かれています。そして、短波帯の受信範囲は3.9〜12MHZと書かれています。この範囲内にあれば良いことにしました。
SONY製トランジスタラジオ TR-714販売当時の宣伝文句
次に短波帯の受信状況をSGで調べてみました。すると、3.9MHZ〜11.4MHZでした。仕様と比べてみると、低い方はぴったり一致していました。しかし、高い方は仕様が12MHZに対して11.4MHZでやや低い値となっていました。短波はあまり使わない上に日本短波放送がちゃかと受信できたので実用上は問題なしとしました。
3.9MHZを受信 11.4MHZを受信
これで、このラジオの修理は完了としました。ただ、4端子電解コンデンサを交換できなかったのが心残りです。私の推定ですが、この4端子コンデンサは下参考回路図(TR-729)の丸の部分に相当する三つの電解コンデンサではないかと思います。一つ目は今回交換したAGC回路用,二つ目は低周波初段増幅用バイパスコンデンサ用,三つ目はPP段直前の電源平滑コンデンサ用ではないかと思っています。試しに二つ目の箇所に正常なコンデンサを付けると音が大きくなります。三つ目は電源が消耗したときに電池の内部抵抗が大きくなります。その時に音がひずまないため平滑用コンデンサではないかと思います。音を小さくできなかった原因は、三つのコンデンサを内包していたために、AGC回路を通る音声が4端子コンデンサ内で漏れて初段トランジスタのエミッタに漏れたのではないかと思います。
参考にした回路図 SONY製 トランジスタラジオ TR-729
今後、秋葉原に行ったときに4端子電解コンデンサを探してみようと思います。おそらく、このような特殊な電解コンデンサは売ってないと思いますので、超小型のコンデンサ(例えばタンタル電解コンデンサなど)を代用として取り付けられたらと思っています。
修理が完了して、黒い革に収めたトランジスタラジオ TR-714
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古いSONY製トランジスタラジオ TR-714の修理(8/8)
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