9月に開催予定の「織物と染物の歴史展示」で、並行して染物体験を計画しています。体験にやってくるのは子供達が多いのではないかと思います。その体験の手順を確認してみました。まずは一番簡単な藍の生葉を使った叩き染めです。今回試行したのは、使う生葉の選択,叩く強さ,模様入れなどです。その結果、ほどよく育った葉が良いこと、叩きすぎると葉脈が分からなくなること、そして模様は葉の中心にしない方が良いことなどが分かりました。中心部だと模様がにじむのです。
藍の生葉を使った叩き初め(試行)、葉脈見えず、模様が少しにじむ
藍の生葉を使った叩き初めは小学校の放課後学習などで体験したことがあります。今回はもう少し楽しめるよう、模様を入れてみました。使った藍の生葉は、藍の畑から根ごと抜いてきた藍から選びました。その藍の葉から、自分の好きな大きさの葉を選んでもらいます。複数選んで重ねてもかまいません。そして、ハサミで切り抜いた模様を葉に貼り付けます。そして、二つ折りにしたサランラップの間に布と葉を挟み込みます。ちなみに布は絹です。綿の布は染まりにくいです。
藍の生葉を選ぶ 模様を葉に貼る サランラップに挟む
次に硬い板の上にサランラップごと載せて金づちで叩きます。藍の葉に含まれる葉汁が布ににじむように丁寧に叩きます。葉先、葉の周辺、模様の周辺を特に丁寧に叩くと良いでしょう。叩いていると、緑色に布が葉汁でにじんでくるのが分かります。今回の試行では叩きすぎました。葉脈が分からないほど叩いてしまいました。葉脈が分かるように丁寧に叩くと良いです。また、強く叩きすぎると布の繊維が傷むことも分かりました。
金づちで葉を叩く 模様などがにじむ 水で葉くずを流す
叩き終わると、流水に当てて藍の生葉の残滓を取り除きます。洗った布を見ると、濃くはないですが布が藍染めされたことが分かります。模様もくっきり浮き出ています。その後乾燥します。乾くと、布にチャコペンで四角に線を引きます。その四角の線に沿ってピンキングハサミ(ギザバサミ)で縁取ります。正方形の薄絹布コースターの出来上がりです。次は絞り染めの試行をしようと思います。
チャコペンで四角の縁取り線 ピンキングハサミで縁取り
↧
秋の展示会準備:藍染め体験の手順確認(1/x)
↧