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Channel: 東京里山農業日誌
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古い日立製トランジスタラジオ TH-660の修理(7)

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 とても古い日立製トランジスタラジオTH-660を久しぶりに修理しています。先日、シグナルトレーサーを改造してから、局部発信周波数が正確に測定できるようなりました。これで、ラジオの周波数変換部の確認や修理がより容易になると思います。今回、修理中のTH-660の受信状況を確認してみました。1000kHz付近で、ラジオ放送と混信しない周波数910KHzを選び、1000Hzで振幅変調してこのラジオを受信してみました。

     局部発信周波数は1361kHz           SGは910KHzを発信
 

スピーカーから1000Hzのピーっと言う音が出ました。この状態で周波数変換部を測定してみました。局部発信周波数を測定すると1361kHzでした。この値から455kHzを差し引くと906kHzです。SGの910kHzとほぼ同じです。この値からすると、周波数変換部はほぼ正常のようです。

              基板の上から見た、トラッキング調整するOSCやIFT


 念のため、中間周波をチェックしてみました。今から40年以上前、私が高校生の頃に購入したオシロスコープで測定しました。すると、中間周波がきれいに1000Hzで振幅変調されていることが分かりました。ちなみに、検波後の低周波を周波数カウンタで測定すると、1043Hzでした。問題ありません。前回のような「受信周波数がずれている」といった現象はありません。発信周波数を間違えて、その高調波を受信したのかも知れません。

     振幅変調された中間周波              1043Hzの低周波


 そこで、トラッキング調整しようと、最初OSCコイルを回そうとしました。しかし、私の持っている調整棒が入らないのです。さらに、汎用品ではないOSCコイルためか調整棒先端の幅と合わないようです。これは困った!無理に差し込んで回すと、調整棒か又はOSCコイルのどちらかが壊れてしまいます。OSCコイルを回すことを諦めました。古いラジオを直す場合、部品を壊さないことが絶対条件です。壊さない見極めがとても大切です。

         OSCコイルに調整棒が届かず合わず、回せない・・・・困った!


 ところで、トラッキングを合わせようとすると、ガリガリ音が出る上に、頻繁に音が出なかったり出たりします。特に、ボリューム周辺を触ると頻発します。どうもボリューム周辺に接触不良があるようです。ボリュームそのものがグラグラしますので、ボリュームそのものか、取付け部の故障が疑われます。次回、このボリュームを外すなどしてガリガリ音を修理しようと思います。トラッキング調整はこの故障を直してからにします。

         ボリュームを触ると、音が出なかったり又は大きなガリガリ音


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