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Channel: 東京里山農業日誌
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並四ラジオ テレビアン PM-8の修理(2/x)

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 次にシャーシの真空管を抜いてみました。そして、その真空管の型名を調べてみました。型名が分からないと、その真空管の規格が分からず修理もおぼつきませんので。まず、驚いたのはフィラメント電圧が2.5Vなのです。私が中学生時代に扱った真空管はどれも6.3Vでした。2.5Vで覚えているのは、2A3と呼ばれるオーディオ増幅用の著名な真空管ぐらいです。この真空管ラジオは、もしかして昭和20年以前に製造されたラジオではないかと思われます。そもそも真空管が4本しか使われてしませんし、中間周波トランスを使っておらずスーパー方式ではないラジオです。ちなみに、私は中学生時代の技術家庭科の授業で、ST管を使った再生方式の並四ラジオを組み立てたことがあります。それによく似ています。

       同調コイルと真空管(UZ58A)グリッド間のコード外れ


 まずは、使われている4本の真空管を調べてみました。すると、同調と高周波増幅は五極管UZ58A,同調再生と検波は五極管UZ57,低周波増幅は五極管3YP1,そして整流管として二極管KX12Fでした。これらの真空管は、私が中学生の頃に使っていた真空管6D6,6C6,6Z-DH3AそしてKX-12FKに相当するするのではないかと思います。違いはフィラメント電圧とカソードが直熱か傍熱かの違いです。
 さて、初段の真空管UZ58Aの第一グリッド,バリコン,そして同調コイルを繋ぐ線が切れていました。原因は同調コイルのハトメが折れているか半田が外れているようでした。これは簡単に直せそうです。

  使われていた真空管(ST管)5本      UZ58Aのソケットのピン配置
 

 使われている真空管はST管です。この真空管はソケットのピンの数や配置がバラバラです。二極管KX12Fではピンの数は3本です。七極管6WC5ではピンの数は6本でさらにグリッドピンが頭頂に付いています。真空管の歴史で言えば、ナス管、ST管、GT管,ミニチュア管,サブミニチュア管と進歩しました。最後に作られた真空管はトランジスタに対抗して作られたニュービスタ管です。しかし、このニュービスタ管でさえトランジスタに負けてしまいました。真空管はフィラメントを使うため熱効率がトランジスタと比べて圧倒的に悪いのです。しかし、電子レンジなど限られた用途に今でも真空管が使われています。

         昭和10~30年代に使われたST管の規格表


 ちなみに、真空管UZ58Aは高周波増幅もしますが可変増幅管として使えます。可変増幅とはグリッドのバイアス電圧を変化させて増幅度を変える機能です。下図のBでは増幅率が低く、Aでは増幅率が高くなります。この例では、グリッドのバイアス電圧-6Vを-2Vにすると増幅率がぐっと上がります。下の左の真空管はそのようなできません。グリッドの形状を変えることによって可変増幅機能を持たせています。
 ちなみに、トランジスタでも似たようなことができます。リバースAGCやフォワードAGCと呼ばれ、バイアス電流を増減させて増幅率を変えます。なお、真空管やFET(電界効果トランジスタ)は電圧がバイアスですが、通常のトランジスタは電流がバイアスです。

        左は普通の増幅管の特性、右は可変増幅管の特性


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