まだ音が小さいですが、なんとかラジオ放送が入るようです。そこで、受信できる周波数範囲をSGで調べてみました。すると、低い方は514KHzで、高い方は1530KHzでした。規格が540〜1600KHzですので、実用上は問題ないと思いますがわずかに低い方に寄っています。その理由は分かりませんが、パディングコンデンサなど同調に関わる部品の値が永い間に変わったのでしょうか。
低い方は514KHzを受信 高い方は1530KHzを受信
次に、電子回路各部の状況をオシロスコープで確認しました。シンクロスコープではないので、すぐに波形がずれてしまいます。ずれに応じて頻繁に調整しなければならず大変です。まずは、1000HzでAM変調した電波を受信して各部を調べてみました。すると、中間周波の下波形が少しひずんでいます。これはトランジスタの非直線部で増幅しているからかも知れません。検波後の波形もやや歪んでするようです。あとで、トラッキング調整しようと思うので、その時に直るかも知れません。
上下の波形が非対称な中間周波 やや歪んだ検波後の波形
ざっとラジオが受信できることを確認すると、音が小さい故障をさらに直すことにしました。前回、容量が0の結合コンデンサを交換しました。今回は容量低下か認められるバイパスコンデンサを交換することにしました。ストックの中に耐圧3Vで40μFの電解コンデンサが無いため、同じ耐圧の30μFで代用しました。
容量が低下した40μFコンデンサ 30μFコンデンサで代用
しかし基板が外せないため、コンデンサを取り外しての代用コンデンサ置換はできません。そこで、容量が低下した電解コンデンサの背中に乗せるようにして取り付けました。見かけはとても無様ですが、このさい仕方ありません。故障したコンデンサの端を切り落としておくと、万全かも知れません。
容量が低下した電解コンデンサの背中に乗るように取り付け
もう1つの電解コンデンサ8μFは、10μFで代用しました。やはり同じように、背中に乗るように取り付けました。電子回路的にはこれでOKなのですが、見栄えが良くありません。3月に東京に行くので、ちゃんとした電解コンデンサを購入して取り付け直そうかと思案しています。たかが修理と言っても、美しく修理できないと何か納得できない気持ちです。
見かけは悪いものの、背中に乗るように代用コンデンサを取り付け
偶然発見したのですが、時々ラジオの音が消える理由が分かりました。電池ケースから電気を供給する端子が基板上でぐらぐらしていたのです。この端子に触ると、電気の供給が止まることがあるのです。何らかの振動で、断線状態となり電気の供給が途絶えるようです。
基板の裏側からは修繕できません。基板の上側から端子を半田ごてで熱しながら半田を供給しました。すると、基板裏側に熱が回り、銅箔と端子が再度半田付けされたようです。端子はぐらぐらしなくなり、音が突然消える現象が無くなりました。
ぐらぐらしていた端子 根元を熱して再半田付け
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古い東芝製トランジスタラジオ 7TL-204Sの修理(5)
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