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Channel: 東京里山農業日誌
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最近、数がめっきり減った赤手ガニ

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 我家の排水溝に、ちらちら赤い動くものが見えました。赤手ガニです。色が赤いので、とても目立ちます。普通生き物は、カエルにしても、魚にしても、虫にしても、周りの景色に同化して見えにくい保護色をしています。しかし、このカニは遠くからでもすぐに分かります。わざわざ見つけてください、と言わんばかりの目立つ色をしています。何故でしょうか?

                  遠くからでもよく分かる、真っ赤な赤手ガニ


 いつもは穴の近くにいて、私が現れるとスッと穴に隠れてしまいます。しかし、今回は穴から離れすぎていたため、カニが穴に隠れるよりも、私の手が穴を塞ぐほうが早かったのです。カニの背中を地面に押し付けて、少しずつカニの両脇に指を動かしました。そして、カニさんは私に捕まってしまいました。
 このカニはオスでした。どの動物もそうですが、オスの方が遠くを出歩きます。猫はその典型です。春に猫同士で唸りあっているのはだいだいオスなのです。このオスの赤手ガニも、ちょいと遠くに出かけ過ぎたようです。捕まったのが悔しかったのか、怒って私に大きなはさみを振り上げていました。

       カニの両側を指で摘まむ             お腹を見ると、このカニはオス
 

 この赤手ガニを子供の頃にたくさん捕まえたことがあります。それは、海にいるタコを捕まえるためでした。タコはこの赤手ガニが大好物だそうです。大きな釣り針の根元にこのカニを縛って、海に沈めるのです。すると、タコがこのカニを食べようとしがみつきます。その時、急いひ釣り糸を引揚げます。タコが離れないうちに、一気に釣り上げるのです。やはり、赤い色が海底でも目立つのでしょうか。目が良いタコはカニをすぐに見つけるようです。
 ところで、この赤手ガニは、海で産卵します。このため、最近のように海岸が高い堤防で護岸工事されると、カニは海に出ることができません。運良く産卵できても、子ガニは高い堤防を登って山に戻ることができません。これが、赤手ガニが少なくなった原因ではないかと思っています。
 ちなみに麻郷八海地区の「カニもりさんの祠」は、カニが自由に海岸を往復できた時代、大量にカニが発生した名残の史跡ではないかと思います。

                タコが大好物?の赤手ガニ タコはこのハサミが痛くない?


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