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Channel: 東京里山農業日誌
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田布施町 西の寺子屋 亥の子(いのこ)と石臼を体験

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 田布施町 田布施西小学校の「西の寺子屋」に関わる子供達が、郷土館で亥の子(いのこ)と石臼の体験をしました。「西の寺子屋」は地域の子供達を育成する会です。私はこれまで、石臼が使えるように取っ手などを修復しました。今回、亥の子を担当しました。朝、郷土館長のNさんと一緒に、亥の子頂頭部の穴に差し込む御幣部分を修復したり八本の紐を亥の子に繋いだりしました。

 亥の子に八本のひもを繋ぐ    御幣を付ける棒と穴       御幣を付けた亥の子
  

 亥の子は、今では極めて珍しい風習になってしまいました。実質絶えています。私が知っている範囲では、柳井市の平郡島の平郡東小学校で行っているぐらいなものです。今やこの風習を見たことがある方は、90歳以上に限られます。それは昭和一桁代にほぼ絶えてしまったからです。今、町おこしや商店会などで復活又はなんとか保存している町があると聞きます。
 亥の子を体験する前に子供達に、亥の子と子供の関係や由来などについて解説しました。そして、八人一組で亥の子を動かしてみることにしました。しかしながら、最初は力の入れ具合が分からず、亥の子が綺麗に動きませんでした。しかし、だんだん亥の子歌に合わせて動かせるようなりました。親も子も初体験の亥の子でした。

             80年位前に絶えてしまった亥の子を体験する子供達


 亥の子を郷土館の外で体験している間、もう一つのグループは郷土館内で石臼の体験をしました。事前に担当指導者が、石臼で挽くための大豆を炒ったり、石臼を専用の台に乗せるなど準備しました。私も、石臼がずれないように釘を打ったりしました。準備が完了した頃の午後3時に子供達がやってきました。

   左は上臼、右は下臼      使える状態にした石臼       大豆を炒るなど準備
  

 石臼は、昭和初期頃まで各家庭で使われていた豆などを製粉する道具です。水車で回す大型の石臼もありますが、今回子供達に体験してもらったのは家庭にあった手回し式の石臼です。一人で動かしたり、二人で動かしました。今の製粉機はモーターで回すため効率的ですが、人の手で回す石臼はなかなかすぐには粉になりません。その昔、この石臼を回すことで、我慢したり辛抱したりするような心が養われたと聞きます。

                     初体験の石臼、うまく回せたかな


 子供達が大豆を石臼で製粉したきな粉、最後にみんなに均等に配られました。私が子供の頃、このきな粉に砂糖を少し入れて牛乳に混ぜて飲んでいたように記憶しています。今回体験した亥の子と石臼は、子供達にどううつったでしょうか。少しでも昔の生活を想像できたらと思いました。

    石臼を綺麗に掃除    きな粉をみんなで分ける        最後に終わりの挨拶
  


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