綿繰り器によく似た器械を持っています。とても古い押し麦器です。綿繰り器と同じように二つのローラーがあり、そのローラーの間に麦を入れると潰れて押し麦になるのです。綿繰り器と違うのは、ローラーの直径がやや大きい事、ローラーが金属でできていることです。
昔使われていた古い押し麦器
綿繰り器と同じようにローラーの間に種入りの綿を入れました。すると、予想はしていましたが、種は潰されて綿と一緒に出てきました。綿と種は分離できません。押し麦器は綿繰り器としては使えないことがはっきりしました。面白いのは、潰された綿の種から油が染み出るようなのです。種がたくさんあれば、もしかして綿花油がこの器械で採油できるかも知れません。そもそもこの押し麦器、以前サトウモロコシの甘汁抽出用に使っていました。
綿と種がいっしょに巻き込まれる 潰れてペッタンコになった綿の種
押し麦器による綿繰りを諦めました。次に、綿繰りして種を分離した綿をふわふわにしてみました。羊毛をふわふわにするハンドカードを使いました。古来日本では、綿は弓の弦を使ってふわふわにします。私の祖母も布団直しをする時に弓の弦を使っていました。私は弓を持っていないので、今回はハンドカードを使いました。弓は作るのが簡単なので、暇があったら作ってみようと思います。
ハンドカードの間に綿 ふわふわになった綿
ふわふわになった綿をくるくる巻いて筋状にしました。その端っこを指でよって、糸車に結びました。そして、糸車を回しながら糸にしてみました。私は糸紡ぎの素人ですが、それでもちゃんと糸になりました。羊毛よりも繊維が細いためか、羊毛よりも容易に糸紡ぎできるように思いました。毎日のように綿を収穫しているため、どんどん糸を紡いでみようと思います。10月7日の鱧祭りのフリマで、綿繰り、ハンドカード、糸紡ぎ、藍染め、そして織りまでの一連のデモができればと思っています。
糸車を使って、ふわふわにした綿を糸にしてみる