これまで、和綿と緑綿を収穫してきましたが、洋綿(バルバデンセ)がようやく収穫できるようになりました。この洋綿は晩生なのでしょう。この綿は超長毛種だとのことです。そのためか、和綿と比べて実やはじけた後の綿が大きいように思います。
実がはじけて綿が露出した洋綿(バルバデンセ:超長毛種)
3種類の綿を育ててみて、それぞれに特徴があります。一番の特徴は、はじけた後の綿の向きです。よく言われるように和綿は下を向いています。日本は雨が多いので、濡れないように下を向いている綿が長い間に選ばれてきた結果だと思います。この性質が収穫する時によく分かります。和綿は下を向いているので、実がはじけているかどうか上から見ただけではよく分かりません。横や下から見上げるようにすると分かります。
実が赤みを帯びている緑綿、葉もやや赤い
緑綿と洋綿は綿が上を向いています。そのため、長雨が続いた時には濡れて綿の品質が落ちると思います。また、実の色にも違いがあります。和綿と洋綿は緑色ですが、緑綿は葉や実がやや赤いのです。もともとは赤色だったのが、長い間に白い綿が選別された結果なのではないかと思います。
まだ緑が残っている洋綿 和綿と洋綿は実が緑色 ※緑綿は赤色
ところで、農業化された洋綿の収穫は、私のように毎日一つ一つ綿を摘み取りません。収穫期が近づくと除草剤をいっせいにまくのだそうです。枯れるとすべての実がいっせいにはじけるようです。枯れた洋綿の中から機械で一気に綿だけを収穫するのです。合理化とか機械化とはそう言うものなのです。だからこそ安い価格で服を買うことができるのです。江戸時代、服は貴重でした。汚れれば洗い、擦り切れれば継ぎあてし、それでも傷んだ布は再度ほどいて布に再生します。それでも傷んだ布は最後に雑巾として全うしたのです。
一塊の綿、この中に種が数個 左から、和綿,緑綿.そして洋綿
さて、収穫した3種の綿を比較してみました。実から取り出した綿は和綿<緑綿<洋綿の順に大きいようです。1番の違いは1粒あたりの綿をほぐしてみるとよく分かります。洋綿は超長毛種と言われるバルバデンセです。和綿と比べて、綿の量が多く、かつ綿の繊維がとても長いのです。この性質は綿繰りや糸紡ぎに有利です。このことから、綿の工業化だけを考えると和綿は圧倒時に不利であることが分かります。和綿は日本の伝統を守るとの目的や志がないと栽培は難しいようです。
1粒あたりの綿 左から和綿,緑綿,洋綿(超長毛種)