以前、郷土館で真空管アンプでレコードコンサートを実施したり、真空管やその歴史について講演をしたことがあります。その時に使用した真空管アンプは、ある方からお借りした最高級の真空管アンプでした。その後しだいに、懐かしい昭和の歌や音楽を、その当時使われていた市販真空管アンプで聞きたいと思うようになりました。昭和の音を昭和のアンプで。
とりあえず赤く光るようになった真空管
擦り切れるほどよく読んだオーディオ雑誌(昭和36年発行)に、ある真空管アンプが紹介されていました。その古い真空管アンプ(Lux-SQ5A )を運よく安く手に入れることができました。ただし、安かった理由はそのアンプが壊れていたからです。これは直すしかありません。倉庫に保管していた真空管に関する本や雑誌を引っ張り出しました。子供の頃に作った真空管ラジオなどの知識を元に、慌てず騒がずのんびりと修理しようと思います。自作を含めて数台の真空管アンプを持ってはいるのですが、昭和30年代製造のこの真空管アンプが最古です。
故障した古い真空管アンプ 昭和36年のオーディオ雑誌の記事
故障の内容ですが、電源スイッチを入れても何の反応もないことです。当然真空管も赤く光りません。まずは、ラジオやアンプの修理セオリーにのっとり電源回路から調べることにしました。調べた結果、スイッチを入れるとヒューズすぐに切れることが分かりました。どこかで短絡しているようです。短絡場所を特定するため、真空管やランプなどを全て取り外しました。すると、ヒューズは切れません。
綺麗に纏められたコード類 ランプ類を外す 真空管も取り外す
いろいろ調査した結果、整流管周りが短絡しているように思えます。整流管だけを外してスイッチを入れると全ての真空管やランプが正常に赤く光るのです。その他で気が付いたことは平滑抵抗が焦げていることです。高い温度で発熱したのでしょう。もう少し余裕のあるワット数の抵抗と交換しようと思います。
正常に光る左右のパイロットランプ 焦げていた平滑抵抗300W