紀伊半島の史跡巡りも4日目に入りました。泊まった旅館の前には熊野川の支流が流れています。その対岸の山上には、熊野古道では知る人ど知る果無(はてなし)集落があります。残念ながら今回は果無集落を訪れることができませんでした。代わりに玉置神社に向かいました。私はこの神社の名前を今回初めて聞きました。紀伊半島でもかなり高い山の上にある神社で、杉の巨木が生えていることで有名だとのこと。もちろん熊野古道もこの神社を通っているようです。
他の神社とは違った雰囲気が漂う玉置神社御本殿
玉置神社に行くためには最初熊野川沿いに道を進み、十津川村の中心部を過ぎたころに橋を渡ります。その橋を渡り終えると、高度が上がる道をどんどん進みます。そのうち、熊野川がはるか下に見えるようになります。上から見る熊野川は曲がりくねった蛇の背中のように見えます。熊野の山々が遠くまで見えるような高度に登りつめます。
遠くまで見える熊野の山々 玉置神社の古びた鳥居をくぐる
玉置神社の駐車場に着くと、しばし周りの景色を眺めました。かなり高度がある駐車場ですので、熊野の山々をはるか向こうまで見渡すことができました。車を降りた場所に大きな鳥居があり、ここからしばらく山の斜面をくねる参道が続きます。
若宮社などのお社 横から見た御本殿 社務所などの建物
この玉置神社は、高度1077mもさることながら巨大な杉が有名です。最も大きな杉は、神代杉と呼ばれ、樹齢は約三千年、幹回りは8.5mもある巨木です。屋久島の縄文杉に匹敵すると思います。これらの杉は、古代にはあちこちの山にたくさん生えていたようです。いつしか気候変動により、山の頂上付近にだけ生き残ったようです。言わば気候変動の生き証人です。
左の人と比べ、巨大な杉の大木 1番大きな、樹齢三千年の神代杉
高い山に登ると、高度によってくっきりと植生が変わります。杉は、他の植物が育ちにくい寒い地域でよく育ちます。そのため、シベリアなどの寒い平原には広大な杉林が広がります。日本では北海道などの寒い地域で育ちます。暖かい地域では、寒い高山にだけ育ちます。そのため、屋久島の山、中国山地や紀伊山地の高い場所などにひっそりと残っています。杉の木はあちらこちらに生えていますが、ほとんどは人間が無理やり植林で増やした杉林です。
十津川村玉置神社へのコース
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伊勢,熊野古道,高野山,明日香の史跡を楽しく散策 (12/x)4日目
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