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Channel: 東京里山農業日誌
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希少雑穀シコクビエが熟し始める

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 40年位前、山梨や長野の山深い山間地域の民俗調査をしたことがあります。山間地域はほとんどが斜面であることが多く水田ができません。そんな地域では、いろいろな雑穀を作っては食料にしていました。稗、粟、黍、唐黍(トウモロコシ)、はと麦、陸稲、モロコシ、蕎麦、そしてシコクビエなどです。山口県では粟や黍は最近まで作っていた農家がありました。稗は、記録によると江戸時代には作っていたようです。しかし、シコクビエだけは栽培の記録がありません。

         独特な形の穂をしている希少雑穀シコクビエ


 実はシコクビエは、古代にアフリカからアジアを経由して伝わっていたことが分かっています。古い作物である証拠に、地域によって呼び名が違うのです。正式名称はシコクビエですが、他にはカモアシ、チョウセンベイ、コウボウビエ、エゾッペイなどの名前があります。この希少な雑穀は飢餓対策として古代から山奥の山間地域で栽培されてきました。栽培されてきた地域は、人があまり住まない高知県の山奥、山梨や長野県の山奥などです。
 
  出穂したばかりのシコクビエ         シコクビエの粒
 

 シコクビエは、雑草のオヒシバにとてもよく似ています。シコクビエが飢餓対策として珍重されていたのには理由があります。お米や麦は、一度に穂が出て一度で収穫すべてが終わります。そのため、冷害や干害があると一度にダメ(収穫0)になることがあります。しかし、シコクビエはだらだらと長期間にわたって穂が出ては熟すのです。つまり、収穫期間がとても長いので収穫の不出来リスクが少ないのです。霜が降りて枯れるまで何度でも収穫できるのです。ただし、お米に比べて美味しくありません。食べたことがありますがパサパサして美味しくありません。いわば飢餓対策に特化した作物なのです。今年もこれら希少な雑穀を収穫できそうです。

           独特な形をした穂、茶色に熟すと収穫


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