その昔田布施では藍を栽培したり、藍染めを仕事にしていた家がたくさんあったことが分かっています。しかし、その技術は途絶えてしまいました。復活は無理としても、再現できないか奮闘しています。その結果、藍をどのように扱えばいいか少しずつ分かってきました。一つは藍染め液がアルカリ性でなければならないこと。二つ目にアルカリ性で増える菌を増やすため栄養が必要であること。三つ目に温度が大切であること。四つ目に濃い藍染めをするには大量の葉が必要であることなどが分かってきました。その道の専門家には当たり前のことなのでしょうが。
まだまだ薄いものの藍による絞り染め
藍染めの液をアルカリ性にするため現在は水酸化カルシウムを使っています。以前は重曹を使っていましたが、水酸化カルシウムの方が圧倒的に安く手に入りますので。いずれ昔のように灰を使ってみようと思います。次に菌を増やすために糠などを使ってきましたが、今は即効性がある砂糖(サトウキビから作られた砂糖)を使っています。困ったことに、菌が増えるにつれてアルカリ性がだんだん酸性に変わっていくようです。そのため、常にアルカリ性を保っておくことはけっこう大変です。藍染めは、醸造のように発酵技術なのです。
水酸化カルシウムを投入 菌の餌としてサトウキビの砂糖を投入
菌が増えると、藍の青の成分が水溶性になるようです。色が濃い青色に変わっていくのが分かります。そうなった時に繊維を入れると青く染色されます。確実に染色することはまだできません。今のところ、薄い色に染色できるだけです。気温が高い夏しか藍染めできません。今後は、定量的に染色できるようになること、収穫した藍の葉をいかにして効率よく発酵させるかが課題です。乾燥させた藍の葉を粉にしてみるとか、発酵器を使ってみようかなどと検討を重ねている今日この頃です。
染めた布を取り出す 縛った糸を切る 布を石鹸で洗う
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藍染めをいろいろと試みるものの、なかなか大変
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