帝国電波製のカーラジオの故障原因を調査していますが、原因はほぼ高周波回路であることが分かりました。その原因箇所をさらに特定することにしました。高周波回路はおおまかに分けて、高周波増幅回路,周波数変換回路,中間周波増幅回路,そして検波回路です。原因特定の一つとして、ディップメーターから強いAM電波をアンテナ線に注入してみました。すると、500kHZ~1600KHZの電波を正常に受信できることが分かりました。外部アンテナを長く張ってアンテナにつなげると、1300HZ付近でNHK第2放送だけが受信できました。
ディップメーターからAM変調された強い電波をアンテナ線に注入
変調波の周波数を微調整するトリマーを回すと、正常に周波数が変わるため問題ありません。電波は受信するものの、中間周波への変調が弱いように思われます。または何らかの原因でAGCが強くかかっているのかも知れません。そこで、変調回路の波形をオシロスコープで測定してみました。すると、変調波が妙に乱れているようです。
AM波発生ディップメーター トリマーを回す オシロスコープの乱れた波形
はっきりとした原因が特定できないまま回路を目視していると、コンデンサが醜く劣化していることを発見しました。特にフィルムコンデンサは悲惨です。二つに割れたり,ひびが入ったり,変色したり,表面が溶けるなどしていました。これだけ劣化していればコンデンサとしての働きをしていないと思われます。当然異常がおきても不思議ではありません。
そこで、劣化したコンデンサを正常なものに交換する作業を優先することにしました。ざっと見た感じでは10数個のコンデンサを交換する必要があります。このカーラジオは長丁場の修理になりそうです。
頭頂部が二つに割れたコンデンサ 変色し下部にひびが入ったコンデンサ
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帝国電波(現クラリオン)製カーラジオRM-107(三菱キャブトラック搭載)の修理(3/X)
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