あまりに古い真空管ラジオが二台あります。一台目はどうも電池で動作するようです。その理由は電源トランスがないからです。真空管が抜かれているため調査や修理しようがありません。そのため、二台目の方を調査することにしました。こちらの方は、電源トランスがあり100Vで動作するようです。また、真空管があるため、調査結果によっては修理できるかも知れません。
今回は、この二台目の真空管ラジオを調査することにしました。銘板からTELEVIANと呼ばれる会社のようです。型名がありせん。スピーカーが別置きで、戦前のラジオではないかと思われます。重厚な木枠で覆われた、家具のような真空管ラジオです。
家具のような真空管ラジオ、内部を見るため上扉を開く
まずは使われている部品を調査しました。電波が最初に入るアンテナコイルはスパイダーコイルでした。そのスパイダーコイル二つが1cm位離れて電磁的に結合していました。大きな方がアンテナに繋がり、小さい方が真空管側に繋がっているようです。真空管の構成などから考えて、並四型のラジオではないとか思います。エアバリコンは360度回転します。回すと少しばかりシャリシャリします。バリコンの羽がどこかで接触しているのかも知れません。再生用小型バリコンがシャーシ裏側にありました。部品一つ一つが歴史を感じさせます。
スパイダー巻きコイル エアバリコン 100V電源トランス
続いて、シャーシをを取り出しました。驚いたことにシャーシは固定されていませんでした。普通の真空管ラジオは必ず底面がネジで固定されています。固定されない構造なのか、単にネジが抜け落ちているのかも知れません。真空管は4本で、シールドに覆われている真空管が1本ありました。真空管はナス管とST管でした。ソケットはおなじみのST管のものでした。
取り出した鉄製のシャーシ 再生用小型バリコン
シャーシの裏側を見ると、これまた異次元のような配線やレトロ部品がてんこ盛りでした。久しぶりに巻き線抵抗器を見ました。まずは、じっくり時間をかけて観察し、回路図を再現しようと思います。私が中学生の時、技術家庭の授業で並四ラジオを組み立てたことがありました。そのラジオを完成した時、受信した放送局から流れた曲が「水原弘の君こそわが命」だったことを今でも鮮明に覚えています。技術家庭で作った並四ラジオの知識が役に立つかも知れません。
シャーシの裏側、不思議な配線とレトロな電子部品がてんこ盛り
↧
古いTELEVIAN製真空管ラジオの調査
↧