田布施町郷土館では急ピッチで「織物と染物の歴史展示会」の準備をしています。今回は、あらかた会場の並びを整えました。入ってすぐのパネルでは、江戸時代の織物の流通を掲載しました。たとえば、周東地区の織物の集散地は主に岩国と柳井でした。この二つの集散地を経て上方に織物が出荷されていました。柳井縞のブランドは柳井だけが縞を作っていたからではなく、柳井が縞を含む織物の主要集荷地だったためのようです。田布施や平生などでも縞が作られていましたが、柳井縞として柳井から出荷されていたのではないでしょうか。一方、岩国祖生など岩国周辺で作られた織物は、岩国から上方に出荷されていたようです。
近年、反物を知らない若者が多いと思います。そのため、実物の反物の大きさを知ってもらい、和服との関係も展示します。
準備中の「織物と染物の歴史展示会」会場
続くパネルでは、江戸時代の織物産業について解説します。当時は綿以外に苧麻(からむし)が生産されていたことが分かります。そして、綿が生産されてから布になるまでにどのような人々が関わっていたかなども展示します。さらに、当時の織物生産に女性が深く関わっていたこと、また地域によって織物が正業か副業かに分かれていたことが分かります。例えば、島で生活する女性は正業として布を織り、副業として海産物を加工していたことが分かります。一方で、内陸部では米作が正業で織物が副業だったことが分かります。
古い農業書も展示 縞や絣など 江戸時代の流通
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田布施町郷土館 織物と染物の歴史展示会の準備(1/x)
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