足踏みしながら風をおこすふいごが悪いことは分かりました。今回はふいご部分を調査しながら、鍵盤をいったん分解することにしました。鍵盤の数を数えると61個ありました。これは半音を含めて61種類の音を出せることを示します。鍵盤を外すにあたって一番の課題は、修理後に鍵盤を元に位置に正確に戻せなければならないことです。鍵盤の根本を見ると、斜めに筋が引かれています。これは元の位置に間違いなく戻す工夫です。しかし、経年変化で筋が細く見えにくいため、高い音から順番に鉛筆で番号(01から61まで)を振っておきました。その後、この順番に沿って全ての鍵盤を取り外しました。
高い音から順番に、半分ほど鍵盤を取り外したオルガン
ピアノは今でも演奏されているため、修理や調律を専門にしている職業があります。また、少ないとは言えパイプオルガンを修理する方もいると思います。しかし、足踏みオルガンが使われなくなった今、修理する方はまずいないと思います。そのため、痛めないように時間をかけながら、また虫食いで傷んだ部品は作り直すなどして修理しようと思います。
番号を振った鍵盤 鍵盤抑えネジを外す 鍵盤下はゴミだらけ
すべての鍵盤を取り外すと、予想はしていましたがゴミや埃が散乱していました。紙なのかフェルトなのかわからない屑がたくさんありました。フェルトは羊毛から作られているため、虫が食い散らしたのかも知れません。鍵盤を取り去ったオルガンを見ると、鍵盤があった場所に竹ひごのような突起がありました。押すとバネで元の位置に戻ります。この竹ひごを押すと、リードに空気が流れて音が出るのではないかと思います。とにかく修理の前に、ゴミや埃を取り去らなければなりません。
鍵盤があった場所は埃だらけ 鍵盤は箱に入れて保管
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昭和十四年製造の古い足踏みオルガンを修理(2/x)
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