羊毛をカーディングしながら並行して紡ぎをしています。なるべく均一な細い毛糸を紡ぐようにしています。しかし、なかなか細い糸が紡げません。その理由をいろいろ考えてみました。一つ目の理由は、当然ながら私の紡ぎ方がまだ未熟であることです。二つ目は羊毛の毛質にあると思います。田布施農工高校の羊の毛と、須金にあるブドウ園で飼われている羊の毛を比べてみました。すると明らかな違いがあるのです。飼い方の違いや刈り方の違いが、紡ぎやすさや毛糸の質などに関係しているように思います。毛質の良い羊毛を使うと、良い毛糸を紡ぐことができるようです。
暇をみては両足踏みの糸紡ぎ機で毛糸を紡ぐ
毛質の違いは、飼われ方と毛刈りの方法によると思います。まずは飼われ方と毛糸についてです。動物園などのように一日中檻の中で飼われていると、どうしてもチップや排泄物の上に寝転がることが多くなります。このような毛では良い毛糸を作ることは難しいです。一方で外飼いでは草の上や岩上に寝転ぶため毛が汚れることは少なくなります。いつぞや、とある動物村の狭い檻の中で飼われている羊を見たことがあります。糞尿や泥で汚れ、しかも全身の毛がフェルト化していました。とても羊毛には使えそうもない羊でした。
カーディングした羊毛とボビン 毛糸の所々に毛玉が付く
次に毛刈りの方法と毛糸についてです。田布施農工高校の羊は羊毛用でなく毛刈り体験用に飼われています。毛刈りするのは生徒さんです。毛刈りが初めての生徒さんが次々に交代しながら毛刈りします。毛刈りではなく散髪のようです。そのため、毛の長さがバラバラです。毛の長さがバラバラだと良い毛糸を紡ぎにくいです。やはり、毛刈りが上手な方が刈った方が、良い羊毛になると思います。とは言っても、今は羊を選べないため、なんとか良い毛糸を紡げるように工夫しています。
ボビン1巻分紡いだ田布施農工高校の羊の毛糸
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羊毛をカーディングしては毛糸を紡ぐ、毛質と毛糸について
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