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Channel: 東京里山農業日誌
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國木田独歩に関わる田布施町麻郷の史跡、吉見家や高塔山周辺を実踏ウォーキング(1/x)

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 國木田独歩に関わる田布施町麻郷周辺の史跡巡りの最後となりました。今回は、國木田独歩が仮寓した麻郷吉見家周辺や高塔山周辺を重点的に実踏しました。吉見家近くには、登りやすく展望がとても良い高塔山や吉見山があります。特に高塔山頂上から眼下を見ると、田布施川、平生湾、塩田,そして田園などが見渡せました。そして遠くに目を移すと、瀬戸内海に浮かぶ島々,大星山,赤子山,そして琴石山などが見えます。今回は、独歩が見たであろう景色や史跡を辿ってみました。そして、独歩が歩いたであろう街道や山道も歩いてみました。歩きながら、塩田跡,お地蔵様,祠,神社,そしてお堂などの史跡についてもお話をしました。

     國木田独歩が歩いた田布施川や平生湾沿いの街道や史跡を巡る


 平生町のMaxValueを10:00に皆さんと一緒に歩き始めました。途中、独歩が目にしたであろうたくさんの塩田跡のお話をしました。その後、15分程度歩くと新八海橋に来ました。この新八海橋の袂で、独歩が釣りをしたであろう場所や魚の種類などを紹介しました。この橋は川と海の境になっており様々な魚を釣ることができます。たとえば、ボラ、ウナギ,サヨリなどです。また、エビや食用のカニも、そしてシジミやアサリなどの貝も豊富でした。
 ところで、昭和30年頃までこの八海地区には海苔農家がありました。私が子供の頃、冷たい海に入った海苔を採る姿や、砕いて湯がいて四角の海苔の形に伸ばして干していました。独歩もこれら海産物を堪能したはずです。その後、初代八海橋袂に行き、独歩と初代八海橋の話をしたり、近くの山にあるカニ守様の話などをしました。

  新八海橋袂で      初代八海橋袂にあった   「非凡なる凡人」の
  海産物のお話         お地蔵様         桂糺家跡
  

 カニ守様やムシ守様などの話を済ませると、「非凡なる凡人」に出てくる桂正治の実在モデルとなった桂糺(かつらただす)が住んでいた家跡に行きました。独歩は桂糺の家をよく訪問したようで、桂糺が東京に来た時も会っていたようです。独歩は彼の貧しくとも着実な生き方に感心したようです。その生き方に感銘したからこそ、「非凡なる凡人」のような小説が生まれたのだと思います。

   遊郭があった水場を遠望         〇は遊郭があった場所
 

 続いて、最も平生湾を見渡せる場所に皆さんを案内しました。そして、「少年の悲哀」で出てくる遊郭の跡を指さしました。この小説では、少年は八海から水場の遊郭まで船で行きました。その場所が、この八海であり私が指さした方向にかつてあった遊郭跡です。ちなみに遊郭は二軒ありました。
 この遊郭は幕末の記録にも出てきます。それは、石城山に駐屯していた奇兵隊の兵士が、休暇を利用してこの遊郭に遊びに行ったとの記録です。また、遊郭に派遣する芸者を養成する遊楼が、田布施の波野にあったようです。当時遊郭で働く芸者さんは、遊楼から派遣されて働いていたようです。今その遊楼は三味線を教える教室となっています。

      実踏しながら詳細を解説した吉見家跡,高塔山,八海周辺


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