ロックミシンを手で回してみると、布送り機構が怪しいことが分かりました。そのため、布送り機構を分解することにしました。小さな部品を次々に取り出しました。その取り出した部品をいくら注意深く見ても壊れたり摩耗した箇所はありませんでした。そこで、疑問に思いながらももう一度組み立ててみました。すると、やはり布送り機構が動きません。やれやれ、もう一度分解して取り外ししました。何度か部品を睨んでいると、動かない箇所を見つけることでできました。それは、最初一つの部品と思っていたクランク部品でした。クランクの内側部品が焼け付いて固着していたのです。これを見つけるまでに、何度組み立てと分解を繰り返したことか。クランクに固着していた内側の部品を壊れないように注意深く叩いて取り出しました。
最初一つの部品と思っていた、固着した二つの部品
強く固着していたため、最初は一つの部品と勘違いしていました。内側の部品を取り出して、クランクの内周を紙やすりで広げることにしました。細かい紙やすりを使って、内側を広げる研磨加工をしました。おそらく数ミクロンほどの研磨でしょうか。何度か内側の部品とすり合わせしながら加工しました。研磨が終わるころには、クランクに入れた内側の部品がスムーズに回転するようになりました。研磨加工技術の知識があって良かったです。しかしながら、こんな所で研磨加工が生きるとは。
固着した外側と内側の部品 外側部品の内側を研磨加工
故障の原因は、婆様が何年も注油をしなかったことにつきます。車でもそうですが、機械は潤滑油がないと正常に動きませんし、最悪壊れてしまいます。婆様はこのロックミシンの動きが悪くなったため、使わなくなっていたのではないかと思います。それを私が無理して使ったためより壊れてしまったようです。修理で指先が油だらけになってしまいました。油汚れを石鹸で何度も洗い流しました。とにかく直って良かったです。試し縫いすると、布を綺麗に切り縫うことができました。疲れましたが、今は心地よい気持ちです。
元のように組み立てる 編み幅調整箇所 試し縫いしてみる
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古いロックミシンの修理、原因究明まで四苦八苦(2/2) 完
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