先日のことです。修理が完了した3糸式ベビーロックミシンをYさんにお渡ししました。故障の原因は、モーターの回転電極に電気を供給するブラシでした。ブラシが端子に固着してスムーズに動かなかったのです。すり減ったブラシでしたが、取り寄せて交換するほどではありませんでした。
回転電極を綺麗に磨いて、さらに固着を防ぐためブラシを押さえる端子を磨いておきました。ついでにブラシの摩耗屑で黒く汚れた回転電極周辺を綺麗にしておきました。これで、回転電極に電気が供給されるはずです。実際にモーターを組み立てて電源を入れると、元気良く回るようになりました。そして、布が縫えるようになりました。
分解したモーターの内側、固着してスムーズに出ないブラシ
古い昭和製ロックミシンであるため、やはりモーターも古いものが使われていました。古いことで一番のメリットは修理が容易だからです。最近のモーターは回転子の制御が電子化されています。そうなると、モーターの交換しか修理の方法がありません。これはミシンに限らず、ラジオやテレビのように電子製品にも当てはまります。昭和の製品ならば、素人でもなんとか修理ができるのですが。
ブラシを差し込む モーターを再組み立て モーターのテスト
モーターを元のように組み立てて、3糸式ベビーロックミシン本体に取り付けました。三本の糸を取り付けて、100V電源を繋ぎました。そろそろとスイッチを足踏みすると、ゆっくりと針が上下に動きました。さらにスイッチを押すと、早く元気よく針が上下します。添えた布を見ると、ちゃんとカットされて縫えていました。やれやれ直って良かったです。
昨今、ミシンなどの街の修理屋さんが少なくなっています。無線機,アンプ,古いミシン,草刈機,蓄音機,トラクター,ハーベスタ,耕運機,ラジオなどを直すこともある私です。みなさんに重宝される修理屋さんになれればと思っています。
モーターを本体に組み込み 縫えることを確認
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3糸式ベビーロックミシンの修理(2/2) 完了
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