桜が満開ですが、桜に似た花である桃やスモモも咲いています。桃の花弁は、桜より色が濃く大き目です。今、我家には桃は二本(普通桃と白桃)しかありません。しかし、私が子供の頃、山いっぱいに桃が栽培されていました。桃農家だったからです。
当時は桃の花を愛でるどころではありませんでした。花が咲き始めると、実を収穫するための数千個近い袋を家族で作っていました。袋にする紙を節約するため、新聞紙を束でもらってきて袋にしていました。張り合わせる糊は米粒を溶いて作っていました。何でも自給の時代だったのです。昭和三十年代初頭のお話です。
濃い目のピンク色で、花弁が大きい桃の花
桃園が一番忙しいのは、実を保護するために袋を掛ける時です。家族総員でも間に合わないため、親戚中に声をかけて手伝ってもらいました。従妹達も手伝いに来たため、とても楽しかった事を覚えています。お昼になると、桃の木漏れ日の下に座って重箱を広げて食べました。記憶に残る懐かしい思い出です。
当時、カメラはとても高価で我家にはありませんでした。そのため、桃の袋掛けや収穫時の写真がほとんどないのが残念です。
甘酸っぱいグミの地味な花 小さく白いのスモモの花弁
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桃などの果樹の花が咲き始める
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