周防大島では昭和の時代、マオランを使ってロープにする産業が実在していました。実際にその工場跡地を見たり、経営者子孫の方にお話を聞いたり、工場で働いたことがある方にインタビューしたりしました。
そこで、マオランを使ってロープを作ることができるか再現実験をしてみました。まずはマオランを繊維状にした後に草木染めしました。その染色した繊維を綯って四連の縄(ロープ)にしてみました。結果、なかなかいい感じの縄が出来上がりました。周防大島で生産していたロープはこんな縄だったのでしょうか。
左手のすべての指を使って四連の縄を綯う
せっかく草木染めしたので、四色(藍、紫、紅、黄)の四連縄にしてみました。左手の指五本全てを使うため各指がとても疲れます。特に力が弱い小指が痛くなります。ちなみに、次のように各色の繊維を掴んで次々に綯いました。
①藍:親指と人差し指
②黄:人差し指と中指
③紫:中指と薬指
④紅:薬指と小指
四色の根元を結束 各色の繊維を指で挟む 完成した四連縄
完成した四色の四連縄はなかなか綺麗です。また、四連のため握りやすいです。ほぼろなどの籠の持ち手に最適です。ただ、繊維分を抽出する時にたわしで擦りすぎたためは縄の巻き具合がするするしました。手で綯ったため緩くなったのかも知れません。もっと指に力をこめて綯えば強靭な縄が萎えたのではないかと思います。マオランを縄にする工程を再現できたのはよかっです。
出来上がった四色四連の縄(ロープ)、草木染めが綺麗
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マオランの繊維を取る(4/4) 四色の四連縄(ローブ)を綯う
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