プラスチックの筐体が乾く間に、電子回路基盤の確認をしました。電源端子に規定の9Vを繋いで、ちゃんと放送を受信するかなどを確認しました。すると、あらかじめ分かっていましたが、放送はちゃんと受信するものの音声が小さいことが一番の問題でした。音声が小さい原因はほとんどが電解コンデンサの容量抜けです。そこで、電解コンデンサを調査しました。
端子に電源の9Vを繋いで、各部をチェック
すると、検波後の結合コンデンサが見て分かるほど凸凹変形していました。正確にはテスターで測るのですが、明らかに異常であることが分かります。このコンデンサを同じ値の正常なものと交換しました。
変形している電界コンデンサ 正常なコンデンサと交換後
コンデンサを交換すると音が大きくなったたため、電界コンデンサの交換は正解でした。次に、乾かしていたプラスチックの筐体を元通りに組み立てることにしました。薄いアルミ板はとても曲がりやすいので、注意深くプラスチックの筐体にはめ込みました。
乾かすため外していた薄アルミ板 薄アルミ板の端を筐体にはめ込む
二枚の薄アルミ板をそれぞれ、表と裏のプラスチックの筐体にはめ込みました。筐体も薄アルミ板も洗浄して乾かしたので、以前よりぐっと綺麗になりました。あとは、電子回路基板やスピーカーなどをこの筐体にネジで取り付けるだけです。
薄アルミ板をはめ込んだ、表と裏のプラスチックの筐体
最初、イヤホン端子を筐体の穴に取り付けワツシャで固定しました。続いて、スピーカーを筐体に取り付けました。スピーカーをはめ込んだ後、それを抑える金具をネジで固定します。二ヶ所固定します。電子回路基板は最後にネジで取り付けました。
イヤホン端子をはめ込む スピーカーを押さえる金具をネジで固定
このようにして無事に修理を終えたと思ったら、新たな問題を見つけました。確認のため再度ラジオを聴きました。すると、音が大きくなったのは良いのですがどうも発信気味なのです。昔、真空管ラジオで再生をかけたようなかすれ音が聞こえるのです。場合によってはピーピー鳴ります。ボリュームを絞ってもピーピー鳴ることがあります。まだ直さなければならない故障があるようです。
回路基板を筐体に固定するも、新たな故障を発見
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古いNEC製トランジスタラジオ NT-625の修理(3)
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