11日9:30田布施町郷土館に私を含む4人が集合し、Nさんの車に同乗して呉麓山のふもとまで行きました。そして、林道のひかり観音碑前に駐車しました。下車後、がれた急斜面の半ば獣道を登ってひかり観音まで行きました。時々日がさすとは言え、風が強い寒い朝でした。
ひかり観音碑の前に駐車 がれた急斜面の半ば獣道を登る
ひかり観音に到着すると、田布施街方面を眼下に見渡すことができました。しかし、城南方面は木が邪魔をして見下ろすことができません。調査の前に実験です。このひかり観音に降り注ぐ太陽の光を、鏡を使って関戸橋にいるEさんに向けて反射しました。
前回、石城山からの反射光の実験結果は良かったのですが、写真撮影だけでビデオ撮影をしていませんでした、。今回、Eさんにひかり観音からの光の様子をビデオ撮影してもらいました。冒頭の映像は、光る様子をEさんにビデオ撮影してもらったものです。Eさん、寒い強風の中での撮影ありがとうございました。
ひかり観音からの景色、Eさんのいる関戸橋に向けて太陽光の反射光を放つ
ひかり観音からの光の実験が終わると、ひかり観音の岩盤の調査をしました。とても大きな岩です。ざっと見ただけで、岩全体の表面が平らである特徴を持っていることに気がつきます。今回はその岩の表面の傾斜角と方角を正確に計測しました。
方角と傾斜角を計測中のN君 計測値を記録用紙にメモ中のNさん
驚いたことに、東を0°とすると、どの面もほぼ−15°(標準磁石値)でした。さらに傾斜角はどの面もほぼ79°(水平面に対して)でした。横5m縦1.6mほどの巨大な岩面が、平らで,同じ方角を向いて,同じ傾斜角なのです。これだけ巨大で平らな岩面が、太陽光線を反射することはほぼ間違いないと思われます。特に雨上りなどはよく反射すると思います。
今回の計測値を元にして、田布施の各地で反射光がいつ頃見えるか計算しようと思います。なお、方角は標準磁石で測定しました。このため、西方偏位(7°位)を考慮する必要があります。
これだけ巨大な岩面が、平らで,同じ方角を向いて,同じ傾斜角
この平らで巨大な岩面が、どの程度太陽光線を反射するか反射率を計測する必要もあります。今回、照度計を持って行きましたが、太陽に雲がかかっているため数値が目まぐるしく動いて計測できませんでした。ざっと計測してみた反射率は5,000Lux/120,000Luxで4%位ではないかと思われます。そこで岩をたわしで磨いてみると、意外に汚れが落ちます。岩全体の汚れを落とせば反射率は8%位にはなるのではないかと思います。小さな手持ち鏡でさえ、ひかり観音から5km位離れた関戸橋で反射光がよく見えるのです。反射率が多少悪くても岩全体では相当な光度になるのではないかと思われます。今後、さらなる実験と検証をしようと思います。
たわしで洗うと、岩の汚れが落ちる 岩の下にお賽銭の瓶
A:他から持ち込みの石 B:岩と同じ石
調査を終わって岩の下に瓶があることに気がつきました。その瓶の中には、お賽銭と思わせる貨幣が何十枚も入っていました。その貨幣の鋳造年を見ると、昭和50年前後が一番多く、最新のものは平成17年でした。その瓶は、二つの石の間に置かれていました。ひとつは明らかに他の場所から運び込んだ石。そして、片方は周辺の岩と同じ石でした。このひかり観音は、昔から地元西山付近の方々に敬われてきたのではないでしょうか。
ひかり観音の調査を終わって、昼食しながら談笑
左よりTさん、観光協会のN君、郷土館館長のNさん
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ひかり観音と「古代の光」伝説との関係(4)
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