前回は、ラジオ内の回路に使用されているトランジスタなどの素子を調べました。今回は、ひどいガリの原因を調べて修理することにしました。最初に原因元であるボリュームを分解してみることにしました。音量調節ダイヤルを外して、ボリューム本体を覆うカバーを外しました。
外した音量調節ダイヤル ボリューム本体を覆うカバーを外す
ボリューム本体を覆うカバーを外すと、ボリュームの内部を見ることができます。どこか抵抗膜が擦れていないか調べましたが、少なくとも肉眼では分かりません。古いラジオはガリがあるのが普通ですが、このラジオのガリは尋常ではありません。ボリュームを回していると、突然音が切れることがあります。
ボリューム本体を覆うカバーを外して内部を調査
ガリはともかくとして、突然音が出なくなるのは、どこか接触不良の可能性があります。このため、ボリュームの周辺を観察しました。すると、電源からの線がボリューム端子部分で接触不良を起こしている個所を発見しました。
丸は、電源線とボリューム端子の接触不良個所
この不良は製造当時の半田付け不良です。製造当時はなんとか接触していたのが、経年の変化で接触不良に変化したのではないかと思います。ちゃんと接触するように半田付けし直しました。すると、ボリュームを操作していて突然に音がしなくなる故障は皆無になりました。
不良個所を半田付けし直す 音量ダイヤルを元のように取り付け
音がしなくなる故障は治りましたか、ガリは相変わらずです。しかし、ボリュームを何度も往復回転しているとだんだんガリがしなくなりました。全くガリがしないわけではありませんが、気にならない程度には治りました。同じボリュームがあれば交換できるのですか、何十年も前に製造されたものは今や購入不可能です。この程度のガリに収まったことで、修理完了としました。あとは、受信周波数や感度の確認をして、ラジオの筐体や革を磨いて、このラジオの修理を終えようと思います。
少しガリが出ますが気にならない程度、これで修理終了
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古い東芝製トランジスタラジ 6TP-385の修理(2)
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