このラジオの電子的な修理は終わり、ラジオ放送が正常に受信できるようになりました。今度は、外観の修理をしようと思います。発売されて50年位の経年変化が分かるほどあちこちに汚れが付いています。その汚れなどを取ると共に、可能な範囲で補修することにしました。
見ただけで経年変化が分かるほど、汚れや傷みがあるこのラジオ
最初にラジオの筐体に付いた汚れを取りました。水に湿らせた布で拭いた後に、無水アルコールを付けた布や綿棒などで拭きました。正面や側面などの平坦な個所は、主に布で拭きました。そして、ボリュームや端子などのおうとつのある個所は綿棒で拭きました。続いて、外部バーアンテナを同様に拭き少量の油をさして磨いておきました。
アルコールを付けた綿棒で磨く バーアンテナに油をさして磨く
アンテナや筐体を磨いた後、金具なども磨きました。金具類は長い間に、錆が出たりほこりなどが付いて固く固着していました。これも同様に水やアルコールで湿らせた布や綿棒で汚れを取りました。固いところはドライバーの先端でこそげ落としました。それなりに綺麗に光るようになりました。
汚れを落とす前のアンテナ挿入端子 汚れを取ったたアンテナ挿入端子
ところで、一番の難関はラジオを納める革です。水で濡らした布で丁寧に汚れを取ることから始めました。しかしながら、経年変化で汚れている個所は磨けば済みますが、ちぎれていたり穴が開いている個所は自分なりに補修しました。
革の正面を、水で濡らした布で丁寧に汚れ落とし
傷んだ革を補修する作業ですが、革の修理技術を持っていないので自分なりにできる範囲で補修しました。ちぎれた個所はほとんど縫い目です。このちぎれた縫い目は接着剤でつなげることにしました。
ちぎれた革の上面の一部 接着剤を付けて補修
接着剤を塗るとすぐに、外れないように強く抑えるように固定します。平らな面は洗濯バサミで、縫い目の個所は重石を置くなどして固定しました。接着剤は5時間ほどで硬化します。硬化が完了するまで、触らないようにします。このようにして、このラジオの外観を含めた美観を取り戻すように拭いたり修復を試みました。
接着箇所を洗濯バサミや重石で固定、硬化するまでそっとしておく
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古いSONY製トランジスタラジオ TR-710の修理(6)
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