3ヶ月前に田布施農工高校を見学した時にいただいた羊の原毛、紡いで毛糸にしているうちに無くなってしまいました。そのため昨日、再び原毛をいただくため、田布施農工高校に行きました。羊場を訪ねると、毛を刈られた羊たちがいました。刈られた時は素肌が見えていましたが、今はすっかり新しい毛が生えていました。
いただいた羊の原毛 お湯と洗剤を混ぜる 原毛を浸す
いただいたのは、おそらく2頭分の毛でしょうか。2袋いただきました。これだけあれば、来年春までは十分に紡ぐことができます。ありがとうございました。原毛を家に持ち帰ると、さっそく脱脂作業に入りました。原毛には油分があるためそのままでは、手にくっつくような、しっとり感があるような、少しべたべた感があります。そのため、羊の毛を紡ぐ前にこの油分を取り除きます。これが脱脂作業です。
なお、この油分を積極的に使って紡ぐのが、フィッシャーマンセーターだそうです。この油分が雨を通さないのだとか。かつてのイギリスでは、漁師の妻が夫のために紡いだため、この名前があるそうです。
油分が溶け出し、白く綺麗な原毛に
この油分を取るため、液体中性洗剤を使います。無臭の中性洗剤を探しましたが、売っていないのです。すべて香料が入っているのです。仕方がないので、なるべく香料が少ないものを購入しました。今後も原毛の脱脂作業をすることがあると思われるため、中性無香料液体洗剤を探しておこうと思います。
汚れた液を捨てる 何度も水洗い 網に入れて乾燥
さて、液体洗剤をお湯に溶かして、その中に原毛を入れ浸しました。その後、原毛全体が浸るようにゆっくりと押したり引いたりしました。乱暴にかき混ぜると、原毛同士が強く絡まってしまいフェルト状態になります。なお、積極的にフェイルを作りたい場合は、ゴシゴシと強く押し付けながらこすります。
2度目の脱脂作業 再度原毛を洗う 何度も水洗い
1度の脱脂作業では完全に油分が取れないため、私は2度洗剤で洗っています。そして、最後の水洗いを何度も丁寧にします。強く絞れないため、軽く押して水を出します。そして、網にくるんでぶら下げ、水分が落ちるのを待ちます。水が落ちなくなってもまだ、原毛には水分が含まれています。そのため、しばらく風に当てながら自然に乾燥させます。完全に乾燥すると、やっと紡ぐことができます。手仕事は時間がかかるものなのです。
網にくるんでぶら下げ、水がしたたり落ち、完全に抜けるのを待つ
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羊の原毛をいただき、さっそく脱脂作業
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