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Channel: 東京里山農業日誌
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田布施町 消えゆく杵崎さまの火祭り

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 31日田布施町麻郷三宅地区の毘沙門様に行きました。去年仕事で行くことができなかった杵崎さまの火祭りを見学するためです。このお祭りは、少なくとも80年くらい前には、田布施町のあちこちで盛んに催されていました。とても古く言われのある、一見たき火にしか見えない質素な火祭りなのです。しかし、今ではこの三宅の毘沙門様でしか催されていない貴重な火祭りです。

 三宅の毘沙門様      毘沙門様から見た石城山    バケツに防火水を用意
  

 火祭りの由来をお聞きすると、虫送り,雨ごいなど,五穀豊穣とのこと。さらにお聞きすると、今の人はこのようなことを知らない。今後この火祭りは絶えるだろうとのこと。この火祭りは今も、31日の光市室積の杵崎神社のお祭りに合わせて行い、6日に毘沙門様のお祭りをするとのこと。6日の毘沙門様のお祭りでは、綱を張り、提灯を並べ、高松八幡宮の宮司さんに来ていただくとのことです。

       杵崎さまの火祭りを見守る三宅萩尾班の方々、後ろは毘沙門堂


 この杵崎さまの火祭りは、三宅地区の萩尾班の10軒位の方が催しているとのこと。現在は班長が火祭りをして、当屋が6日のお祭りを担当するとのことです。かつては、6日のお祭り時にこの毘沙門様で盆踊りをしていたそうで、嵯峨音頭を踊っていたそうです。しかし、高齢化に伴い子供も少なくなり盆踊りはしなくなったとのこと。盆踊りに使っていた櫓が、毘沙門様の壁にぶら下げてあります。

           杵崎さまの火祭りに集まってきた方々6人


 杵崎さまの火祭りは、飢饉や干ばつが多かった江戸時代に、この火祭りが伝わったのではないかと思います。虫送り,雨ごいなどの言葉がこの火祭りの由来として伝わっていることからその古さが分かります。この三宅の火祭りが、田布施の最後の火祭りになるのではないかと思います。三宅萩尾班の方々も、この催しを伝える意義について悩んでいるように見えます。今この火祭りをしている方々がいなくなる時、この火祭りは消えゆく運命にあるようです。そもそも大元の杵崎神社でも31日にお祭りをしているのでしょうか。

    静かに消えゆく火            最後に水をかけて鎮火
 


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