前回は大まかにこのSONY製トランジスタラジオを調査しました。今回はもう少し詳細に調査することにしました。私は修理を始めた日の終わりには必ずラジオを元に戻しています。このため、修理を再開するたびに再び筺体を開いて基板を取り出しています。今回も、筺体を開いて表,裏,そして基板の三枚開きにしました。
トレイに収めた、三枚開きにしたトランジスタラジオ
今回は基板をよく観察して基板を構成している部品を調査しました。まず、中間周波段のトランジスタですが2SC76が2個使ってありました。そして、低周波段は1段に2SD64,2段に2SD65が、そしてP.P段に2SD65が2個使ってありました。他メーカーが2SA,と2SBタイプのPNP型トランジスタを使ってるのに対して、SONYだけは2SC,2SDタイプのNPN型トランジスタを使っています。表は「初歩のラジオ別冊 初歩のトランジスタ技術 昭和41年発行」、または「トランジスタ活用辞典 昭和38年発行」から抜粋
SONYだけがNPN型トランジスタ
なお、2SC76はJIS規格前は2T54と呼ばれていたようです。この2T54、偶然私のストックの中にありました。初期のトランジスタラジオ工作品をもらったものの中にありました。当時は市販もされていたのだと思います。
2T54がJIS規格で2SC73に たまたまストックしていた2T54
2SC76を2個使った中間周波段 2SD65が3個の低周波2段とP.P段
SONY製のトランジスタ2SD64と2SD65は、2S127と2S128とも、または2T65と2T65だったようです。当時の資料を調べてみると、JIS規格に合わせて2SDxxに改名したようです。
2Txxから2SDxxへ 2S127,2S128とも
次にラジオの心臓部である発信混合段ですが、シャーシが邪魔をして見えませんでした。しかし、製造当時の資料やSONY製造トランジスタラジオ回路図から想定すると、おそらく2SC73ではないかと思います。そして面白いのは、扁平型の電解コンデンサ20μF10Vです。この形の電解コンデンサは初めてです。
左から、2SD64,2SC73(たぶん),そして扁平型電解コンデンサ
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古いSONY製トランジスタラジオ TR-714の修理(2)
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