相変わらず、ほぼろの制作に苦心しています。今回は、ほぼろの底を編み込む作業に入りました。ほぼろを制作する上で一番分からなかった部分です。最初、底を蜘蛛の巣のように綺麗に編み込む手法が分からなくて困りました。そこで、郷土館に展示してあるほぼろや俵の実物を何度も手に取って編み方を研究しました。その結果、少しずつ編み方が分かってきました。古老に教わらなくてもほぼろが制作できそうな気がしてきました。実際、数時間格闘してほぼろの底を編み込むことができました。初作のほぼろですが、なんとか底面を完成することができました。
ほぼろの底面を、苦心しながら編み込み中
底面を平らにするためには、底面部でわらを折らなければなりません。そのため、ほぼろ側面の底部をバケツに溜めた水に浸しました。1時間程度浸すとわらは水を吸って柔らかくなります。この柔らかくなった底部を折りながら紐で縛っていきました。白い紐では緩んでしまいますので、今度はシュロ縄で縛ってみました。わらを内側に折りながら強く縛ったため、なんとか底部全体を内側に折り曲げることができました。
水に浸して柔らかく 内側に折り曲げ縛る 底になるよう編み込む
ほぼろ側面を折りながら縛ると、ほぼろの底になりました。続いて、その底部が平らになるように縄で蜘蛛の巣のように編み込みました。最初、わらの細縄を使って編み込みました。編み込み方は、郷土館に展示してあるほぼろや俵と同じです。円の周辺から円の中心部に向かって編み込んでいきました。すると、思いのほかうまくできました。ところが、網目が広かったため、網の外に漏れるわらがありました。また、強くわら縄を引っ張ったため切れる箇所が出てきました。そのため、せっかく編んだ網すべてをハサミで切って取り外しました。そして、網目が細かくなるように、今度はジュート紐で編み直しました。
わら縄で編み込む ハサミで網を切る ジュート紐で編み直し
ジュート紐はとても安価です。今回使ったジュート紐は850mが700円位でした。ちなみにジュート紐とは、麻に似た植物の繊維を紐にしたものです。稲わらを縛るために多く使われています。植物性のため燃やすことができたり、土に埋めると腐って肥料にすることができます。再度、ほぼろの底部を蜘蛛の巣のように編み込むことができました。
次回は、ほぼろの内側を編み込もうと思います。内側は特殊な針を使いますので、まずはその針を作ることにしました。
畳針のような針で編み込む 蜘蛛の巣のように編み込み完了
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懐かしい故郷の民具(ほぼろ:わら籠/わら細工)の制作 (5/x)
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