私のラジオ修理室に一台のトランジスタラジオがやってきました。スヌーピーの形をしたラジオで、おそらくOEMではないかと思います。1970年型と刻印されていました。子供の頃に買ってもらったラジオとのことで、音が全く出ないそうです。この使い捨ての時代に、故障した今でも大切にしているようでした。思い出が詰まったラジオなのでしょう。
当時のトランジスタラジオは修理しやすいように蓋を開けることができます。そして、基板上の素子を交換できます。しかし、このラジオは裏蓋を開けても基板が奥底にあるため素子を交換できません。可愛いスヌーピーが売りのラジオで、修理を前提にしていないラジオのようです。
私のラジオ修理室にやってきたスヌーピー型ラジオ、これから診察
ところで、スヌーピー型ラジオの箱もレトロです。中からラジオを取り出すと、屋根の上でスヌーピーが寝ています。スヌーピーは取っ手になっており、手で持ってラジオ本体を持ち運べます。
安定化電源から9Vを繋いでみましたがさっぱり音が出ません。雑音すら出ません。このような故障の場合、経験的にどこかが断線している可能性が大です。なお、断線箇所を探している時に、グラグラしていたイヤホン端子がポロリと外れました。
スヌーピーが入る箱 屋根上のスヌーピー払拭 イヤホン端子がポロリ
最初どこで断線しているか探索しました。分かったのはブラスの9Vは来ているのに、電源のマイナスが来ていないのです。つまり、電源からのマイナスがどこかで断線していることが分かりました。
そこで、マイナス電源から順に故障個所を探索しました。黒いマイナス電源端子のコードを試しに引っ張ると、なんと断線していた箇所がするすると抜け出てきました。故障原因は断線です。次は、断線したコードを繋ぐ修理をしようと思います。
修理に使った可変電圧機(9Vに設定) 断線していた9V電源端子
↧
古いスヌーピー(snoopy)型トランジスタラジオの修理(1/2)
↧