音が出ないSONY製トランジスタラジオ TR-710の修理を少しずつしています。前回まではこのラジオの調査に主眼を置いていましたが、今回からは修理に入ります。使用しているSONY製トランジスタの番号が2Txxxですので、おそらく昭和初〜中期に製造されたラジオのようです。だいぶ経年感がある上に色もだいぶくすんでいます。さらにあちらこちらにヒビが入っています。
経年感があり、だいぶくすんだ色をしたトランジスタラジオTR-710
まずは電源を入れてみることにしました。電池BOXは錆ているため安定化電源から3Vの電源を供給してみました。すると、予想したとおり全くの無音でした。ただ、電源線を接触したり、ボリュームを回すと少しガリガリ音がしました。
修理のためラジオ筐体から電子回路基板を取り出す
まずは、あきらかに故障の原因とみていた混合発信をしているトランジスタ2T201の取り付け基板を治すことにしました。そのため、いったんこのトランジスタを外してみました。昔のトランジスタは熱に弱いので手早く外しました。
丸は、2T201の外れた足一本 取り外したトランジスタ2T201
トランジスタ2T201が取り付けられてた基板部分を見ると、三か所の穴には抵抗やコンデンサ類が通っていました。これでは、トランジスタを穴に挿入することはできません。基板を見ると、トランジスタのE(エミッタ),B(ベース),C(コレクタ)の銅箔マークが付いていました。外す前と同じように、銅箔マークに合わせてトランジスタを寝かせるように半田付けするしかありません。
2T201の足があった三か所の穴は、抵抗やコンデンサ類で埋まる
そこで、トランジスタ2T201を外す前と同じ位置に、トランジスタを付け直ししました。そして電源を入れると、うれしいことにラジオ放送を受信するではありませんか。しかしながら、ボリュームを最大にしても小さな音しか出ません。低周波増幅段のコンデンサ容量抜けなどの故障などがまだあるようです。次に音が小さい故障を直そうと思います。
足三本を付け直したトランジスタ 53863台目の製造番号 ?
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古いSONY製トランジスタラジオ TR-710の修理(4)
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