先日、ある新聞のコラムに、ひかり観音(地元では「ひっかりかんのん」と発音)について書きました。
読んだ方は少ないと思いますが。
「 田布施町のある地域では古くから、呉麓山麓にある大岩「ひかり観音」に関わる伝承やわらべ歌が伝えられています。「八和田の付近を航行していた船から岩がピカリピカリと光って見えた。」との伝承です。八和田周辺は陸地ですが、千年位昔は確かに海でした。この伝承は千年位も昔のことを指しているのです。気の遠くなるような話のため、私はただの物語か寓話ぐらいにしか考えていませんでした。
ところが、その岩を初めて見て驚きました。その大岩は、まっ平らな平面で、しかも東の方向を向いていたのです。このため、古代において早朝の太陽光を八和田方面に反射していたのではないかと思うようになりました。その大岩は、平らとは言え苔が生え変色してとても光を反射できるような岩肌ではありません。ためしに小さな鏡を岩に張り付けてみると、早朝確かに光が見えるのです。
ひかり観音の屏風岩 屏風岩の傾斜角70°
その大岩を磨けば、古代と同じ光を見ることができるはずです。より正確に観測して、光が見える場所,日付,そして時間帯の予報が出せればと思っています。このひかり観音伝承のように、大昔の人が見たり聞いたりした事実が伝承や物語などの形でひっそりと眠っていることがあります。みなさんも、地域の伝承を見直してはいかがでしょうか。 」
下画像のうち、
青線:青線より北側は、山陰にさえぎられて光が見えない。
赤線:夏至時にもっとも強く光る場所(確認済み)
黄線:ひかり観音屏風岩が向いている方角
橙線:光が見える南限(推定)
緑線:ひかり観音屏風岩の真東の方角
水色線:古代の航路