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Channel: 東京里山農業日誌
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陸稲(うるち)の種まき、雑穀(ヒエ「稗」,シコクビエ)の苗作り開始

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 明日10日に雨が降るとのことで、陸稲(うるち種:農林24号)の種まきをしました。最初、小さな草が生えている畑の周辺を軽く耕運しました。そして、種まき幅を巻尺を使って決めました。これからの季節、雑草が次々に生えてきます。あちこちにある畑の雑草をカマで刈り取るのは大変です。私はなるべく管理機で効率的に除草するため、種まき幅を管理機の耕運幅+20cmと決めています。今回陸稲の種をまく間隔は80cmです。

       畑の周りを軽く耕耘             陸稲の種まき幅を巻尺で決定
 

 種まき幅が決まると、今度は種まきする陸稲の種を種まき機の中に入れました。この種まき機は、打ち抜き式と呼ばれる方式で手で押します。もともとは田んぼに麦をまくための種まき機ですが、私はこれを陸稲や麦の種まきに使っています。私のお気に入りの手押し式人力農機具です。以前、種まき機の中にクモが巣を作って種が排出されないことがありました。このため、使う前に正常に種が排出されることを確認します。

       種まき機に入れた陸稲              陸稲が排出されることを確認
 

 種まき機に陸稲を充てんすると、いよいよ陸稲の種まきの開始です。種まきするコースに巻尺のひもを張っています。このひものコースから外れないように、スーッと同じ速度で歩きながら種をまきます。陸稲や麦は筋まきすることが多いのですが、この種まき機を使うと約20cmごとに6粒程度吐き出すので株まきになります。筋まきよりもだいぶ種の節約になります。

               ひもから外れないように、一定の速度で押しながら歩く


 この種まき機の欠点は土を被覆してくれないことです。このため、種をまき終るとその上に土を被覆しました。種をまいた上をなぞるように、足を使って土を寄せて被覆します。これで陸稲の種まきの完了です。
 私は天気予報を見ながら、雨が降る前日に種まきや植え付けが終わるように心がけています。今の時期は毎日のように天気予報を確認しています。そして、雨が降る日に合わせて農作業のスケジュールをフレシキブルに変えています。

     等間隔にまかれた陸稲              足を寄せるようにして土を被覆
 

 陸稲の種まきが終了したため、今度は雑穀の苗を作るための苗床に種まきをしました。種をまいたのは、ヒエ(稗)とシコクビエです。この二つの雑穀は、いつも苗を作ってから6〜7月頃に苗を畑に植え付けしています。麦の収穫が終わる頃で、その麦跡に苗を植えるつもりでいます。

                 秋に収穫して、種まき用に保存していたヒエの穂


 最初、種まき用に保存していたヒエを種まきしました。穂を手でほぐすようにして種をバラバラにした後、その種を苗床に筋まきました。次にシコクビエの種をまきました。ヒエと同じように種まき用に保存していた穂を手でほぐしました。そして、バラバラになった種を苗床に筋まきしました。ヒエの隣りに並ぶようにしてまきました。

       苗床にヒエの種を筋まき         種まき用に保存していたシコクビエ    
 

 ヒエもシコクビエも食料としてはすでに廃れています。これらの雑穀が食料とされていたのは、江戸や明治時代の山間地域や東北地方のお米ができにくい寒村です。どちらかと言うと飢餓対策用の作物で味も悪くパサパサしていています。私も何度か調理して食べてみましたが、とても美味しいとは言い難いです。
 これらの雑穀で面白いのは、お米と違って収穫時期が決まっていないことです。また穂刈りで収穫することです。これらの雑穀はだらだらと穂が出てきます。いったん収穫しても、一週間後再び穂が出てきます。霜がおりて枯れるまで、いつまでも収穫できるのです。これが、生きるために必要な食料として大切にされてきた理由だと思います。しかし、お米や麦のように一気に収穫できないため、現代の効率的な農業には適しません。このため、今や雑穀はあまり作られなくなってきました。たくさんの特徴ある品種が無くなってしまいました。

    シコクビエの穂をほぐす               ヒエとシコクビエの苗床用の畝
 


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