梅雨のため、このところずっと雨が続いています。昨日の朝少し晴れ間が見えたため、先日刈り取って干していた小麦を急遽脱穀をすることにしました。麦の刈り取りと脱穀シーズンは梅雨と重なるため、天候がとても気になります。脱穀するための農機具を、午前中に小麦畑に急いで配置しました。運搬機,発動機,そして脱穀機などです。脱穀機は11年前に東京でいただいたもので、腐った台座を修理したり、その台座を補強したり、ベルトを交換したり、螺旋を修理したりしながら使い続けているものです。本当は自動脱穀してくれるハーベスターが欲しいのですが、とても高価で私には買えません。
午前中、脱穀しやすいように発動機や脱穀機などを急いで畑に配置
これまで、いろいろな農機具を使って脱穀をしてきました。一番古風なのは穂を棒でたたいて脱穀していました。一番古い農機具は千歯こぎです。次に、小学生や大学生などに脱穀を教える場合はよく足踏み脱穀機を使いました。そして、今回使う脱穀機よりも古い動力脱穀機も使いました。その古い動力脱穀機は私が山口県に帰る前にもらわれて行きました。その脱穀機、今も大切にされているでしょうか。山口県では栽培する麦の量も多くなったため、足踏みではなく発動機を使った脱穀機を使いました。
ところで、古い雑誌「家の光」に麦の脱穀方法の記事が掲載されていました。しかし、4人〜6人で脱穀する方法でした。すべてを一人で脱穀する方法はありませんでした。このため、私一人でも脱穀しやすいように、自分なりに機械の配置や麦束の置き方などを考えて作業しました。
数人で麦を脱穀する方法 抜粋:家の光昭和34年5月号
脱穀するための農機具をすべて午前中に畑に搬入して、すぐに脱穀できるように手筈を整えてからお昼ご飯にしました。昼ごはんを食べた後、小麦の脱穀作業に入りました。まずは、干した小麦を運搬機の荷台に積むように載せました。
小麦束を直接地面に置くと、穂に土が付くことがあります。すると、穂に付いた土や砂が脱穀時に混じることがあります。それを避けるために荷台に小麦束をいったん置きました。地面に置く場合は、必ずムシロやビニールシートを敷かなければなりません。また、脱穀中に小麦粒が地面に落としてしまうことがあります。そのような場合、その小麦は捨てます。一度砂が混じってしまうと、小麦粒と砂を選別することは極めて困難だからです。
さらに、雨に濡れた小麦は黒いカビが生えたり穂発芽することがあります。このため、ビニールシートをかけていたとは言え、シート端の小麦は雨が吹き込んで濡れている可能性があります。このため、シート端の麦束は捨てました。この捨てた麦は、スズメや鳩さんに食べてもらいましょう。良質の小麦を得るためには、もったいないは禁句です。
干した小麦束を竹竿から外す 小麦束を運搬機の荷台に積む
運搬機の荷台に小麦を積み終わると、いよいよ脱穀の開始です。まず、発動機を起動します。この発動機は八王子でいただいたものでとても古いのですが、10年以上全くの故障知らずです。発動機を起動して平ベルトを脱穀機のプーリーに繋ぎます。ドラムが勢いよく回り始め脱穀機の挿入口に麦穂を差し込むと、麦穂から麦粒が外れます。
発動機の回転を平らベルトで脱穀機に伝え、脱穀の開始
麦穂から外れた麦粒は、脱穀機の脇から吐き出されます。脇には口を開けた袋を置いてあります。脱穀された小麦粒は、次々にこの袋に入ります。麦藁がわずかに混じってはいますが、許容範囲です。脱穀された小麦粒を手のひらですくい上げると、収穫の喜びを感じることができる一瞬です。
麦穂を脱穀機に挿入 脱穀された小麦粒を手にひらで確認
気持ちよく脱穀していると、ポツポツ雨が降ってきました。これは困った。せっかく脱穀しているのに!!小麦が雨に濡れると収穫が台無しです。本降りになる前に、脱穀を急ぎました。一度は休憩したいころでしたが、休憩なしで脱穀を続行しました。溜まった麦藁くずを整理したり、積んだ麦藁を移動したりと、とにかく雨との競争でした。それでも3時間くらい奮闘した結果、本降り直前に脱穀を終了できました。あーあ、疲れたあ!!
雨が本降りになる前に、休憩せずに脱穀を続行!
最後の一束を脱穀し終わる頃に、ザーっと雨が本降りになりました。かろうじて小麦の脱穀を全て終わりました。間に合って良かった!!雨が降りしきる中、急いで雨対策をしました。まず、脱穀を済ませたばかりの大切な小麦に雨が当たらないようにビニールシートを掛けました。
最初の予定では、麦の脱穀後に山のように積んだ麦藁を細断する予定でした。そして、畑にばらまく予定でした。しかし、雨でぬれた麦藁は細断できません。この麦藁は、後日細断することに予定を変更しました。
後日細断できるように、山のように積まれた麦藁をビニールシート2枚で覆いました。そして雨の中、運搬機や脱穀機などを我家の倉庫に次々に収納しました。傘もささずに作業したためびっしょり濡れてしまいました。やれやれ、とんだ脱穀作業になってしまいました。仲間がいれば手っ取り早くできたのですが、一人では限界があります。晴耕雨読のとおり、あせらず天候に合わせてのんびり作業するしかありません。
雨が降りしきる中、脱穀後の麦藁にビニールシートを被覆
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急いで小麦の脱穀作業、途中から雨で大慌て
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